【レビュー】SOUNDPEATS CC~イヤーカフのデビューに~

4.5
無線イヤホン

耳の穴をふさがず、周囲の環境音を聞きながら快適に音楽や通話が楽しめる「イヤーカフ型(オープンイヤー)ワイヤレスイヤホン」。カナル型の圧迫感や耳の蒸れから解放されるデバイスとして急速に支持を広げています。

その中でも、オーディオビジュアルアワード「VGP 2025 金賞&コスパ大賞」をダブル受賞し、実売6,000円前後の手頃な価格帯で登場した注目モデルが「SOUNDPEATS CC (PearlClip Pro)」です。

私は普段、このSOUNDPEATS CCを移動中のながら聴き用に使っています。本記事では実機写真とともに、日常的に使っていて感じた良い点と、特にバスの車内で気になった音漏れなどの不満点を正直にまとめます。

実機外観とデザインチェック(実写写真付き)

SOUNDPEATS CC 実機の充電ケースとイヤーカフ本体外観
SOUNDPEATS CC 実機:ガンメタリック調の充電ケースと左右対称イヤーカフ本体

充電ケースは丸みを帯びたカプセル形状で、上品なガンメタリック調の塗装が施されています。ケース中央にはステータスLED、正面にはメタリック仕上げのブランドロゴプレートが配置されており、安っぽさを感じさせない落ち着いた質感です。

イヤホン本体は片耳わずか約5gと非常に軽量。肌に直接触れるブリッジ部分には約70%の柔軟なシリコン素材が使用されており、内部には耐久性に優れたニッケルチタン形状記憶合金が採用されています。長時間の装着でも耳たぶや軟骨に優しいフィット感を実現しています。

基本仕様 スペック詳細
ドライバー構成 大口径ダイナミックドライバー(指向性音響設計)
通信方式 Bluetooth 5.4(マルチポイント2台同時接続対応)
対応コーデック SBC / AAC / LDAC(ハイレゾ対応)
連続再生時間 単体 約6時間 / ケース込み 最大24時間
防水防塵規格 IPX5(生活防水・汗や雨に強い)
重量 片耳 約5g
特徴機能 左右(L/R)自動判別機能、専用アプリ「PeatsAudio」対応

音質レビュー:オープン型とは思えない「豊かな中低音」と抜け感

スマートフォン(Android/iPhone)およびPCと接続し、ストリーミング音源(J-POP、ロック、アコースティック、ボーカル曲)を中心に試聴検証を行いました。

高音域:抜け感とサ行の刺さり抑制

耳穴を塞がないオープン構造の恩恵を最も感じるのが高音域の抜けの良さです。シンバルやハイハットの余韻が頭の周囲に自然に広がり、閉塞感のないクリアな空間表現を楽しめます。サ行の刺さりやシャリつきは適度に抑えられており、長時間のリスニングでも聴き疲れしません。

中音域・ボーカル:人の声の距離感とリアリティ

ボーカルの距離感は近めで、男性ボーカルの芯の太さや女性ボーカルの息づかいが鮮明に届きます。YouTubeの解説動画やポッドキャスト、WEB会議の通話音声も非常に輪郭がはっきりしており、人の声を聞き取る用途に最適化されています。

低音域:大口径ドライバーによるアタック感

オープンイヤー型の最大の弱点とされてきた「低音のスカスカ感」ですが、大口径ドライバーと低域補正アルゴリズムにより、ベースラインやバスドラムのアタック感がしっかりと肉厚に鳴ります。カナル型のような鼓膜を直接揺らす重低音ではありませんが、BGMとして音楽を楽しむには十分すぎる量感とパンチがあります。

音漏れ:バスの車内では音量に気を使う

移動中に使っていて一番気になっているのが音漏れです。歩いているときは耳をふさがない分、周囲の音や車の接近に気づけて安心なのですが、バスの車内は停車中など意外と静かな瞬間があり、隣の人との距離も近いため、音量を上げると漏れていないか気になってしまいます。

メーカーは指向性音響によって音漏れを抑えているとしていますが、オープンイヤー型である以上、音漏れがゼロになるわけではありません。バスのような静かで人との距離が近い場所では音量を控えめにするか、カナル型のイヤホンと使い分けるのが現実的だと感じています。

装着感・使い勝手:メガネと干渉しない横挟み構造と「左右自動判別」

メガネやマスクと干渉しない横挟みクリップ構造

耳の上にフックを掛ける「耳掛け型」と違い、耳輪(耳のフチの軟骨部分)を横から挟み込む構造のため、メガネのつるやマスクのゴム紐と一切干渉しません。普段からメガネを常用している方でもストレスなく装着できます。

ケースから出して耳に挟むだけの「左右(L/R)自動判別」

左右のイヤホンが完全対称形状になっており、内蔵センサーが装着方向を自動判別して左右のステレオチャンネル(L/R)を割り当てます。ケースから取り出す際に「どちらが右か左か」を確認する手間がなく、手に取ったものをそのまま左右どちらの耳に挟んでも即座に使えます。

2台同時マルチポイント接続と通話性能

PCとスマートフォンの2台に同時接続できるマルチポイント機能を搭載。PCで動画を視聴中にスマートフォンに着信があれば、接続を切り替える操作なしでシームレスに通話へ移行できます。AIノイズリダクションマイクにより、周囲の生活音やタイピング音を低減したクリアな通話が可能です。

本音レビュー:ここが惜しい・デメリット(向かない人)

ここがイマイチな点(具体的な短所・注意点)

  • バスなど静かな車内では音漏れが気になる: 移動中に使っていて一番の不満点です。周りが静かなタイミングでは音量を下げざるを得ず、好きな音量で聴けない場面があります。
  • 極端な騒音下では音が掻き消される: 耳穴を密閉しない構造上、地下鉄の走行音や工事現場の近くなど激しい騒音下では外音に負けて音が聞き取りにくくなります(アクティブノイズキャンセリングは非搭載)。
  • LDACとマルチポイントの同時併用は不可: ハイレゾ相当の高音質コーデック「LDAC」を使用する場合、マルチポイント機能は排他仕様となり同時に利用できません。アプリ上で「音質優先」か「接続性優先」を選択する必要があります。
  • タッチ操作の感度に慣れが必要: イヤホン本体がコンパクトなため、装着位置を微調整する際にタッチセンサーに触れて誤操作してしまうことがあります。
  • 耳の形状による個人差: 耳が極端に小さい方や耳たぶの厚みが薄い方の場合、挟み込みがやや緩く感じられる場合があります。耳たぶではなく、少し上の「耳輪の軟骨部分」にスライドさせてしっかり固定するのがコツです。

おすすめできない人・買わない方がいい人

  • バスや電車の中で、周りを気にせず大きめの音量で聴きたい人
  • 地下鉄の通勤ラッシュ等で、周囲の騒音を完全にシャットアウトして静寂の中で音楽に没入したい人
  • EDMや映画鑑賞で、ズンズンと頭を揺らすような超低音・サブベースの振動を最優先したい人

競合・人気イヤーカフ型TWS 3大モデル比較【詳細比較表】

同ジャンルの人気定番モデル(Anker、HUAWEI)とのスペック・実用面での違いを比較しました。

比較項目 SOUNDPEATS CC Anker Soundcore C30i HUAWEI FreeClip
実売価格 約6,000円〜7,000円 約8,990円 約24,800円
音質傾向 低音の厚み・抜けの良いボーカル 中音域中心(音声重視) 高解像度・広大な音場感
対応コーデック SBC / AAC / LDAC SBC / AAC SBC / AAC / L2HC
左右自動判別 対応(L/Rフリー装着) 非対応(固定) 対応(L/Rフリー装着)
ブリッジ素材 シリコン+形状記憶合金 TPU樹脂 ニッケルチタン形状記憶合金
マルチポイント 対応(2台同時) 対応(2台同時) 対応(2台同時)
防水規格 IPX5 IPX4 IP54
連続再生 約6時間(ケース込24h) 約10時間(ケース込30h) 約8時間(ケース込36h)

おすすめのカスタマイズ:専用アプリ「PeatsAudio」のEQ設定

無料の専用アプリ「PeatsAudio」を使用することで、再生ジャンルやシチュエーションに応じた最適なイコライザー調整が可能です。

用途別おすすめイコライザー(EQ)設定
  • 普段の音楽鑑賞(J-POP / ロック / アニソン):
    プリセット「低音強調」またはカスタムEQで低域(60Hz〜250Hz)を+2〜3dB持ち上げる設定。オープンイヤーとは思えないベースの躍動感とキックの輪郭が楽しめます。
  • WEB会議・YouTube・ポッドキャスト(人の声重視):
    プリセット「ボーカル強調」または「ポップス」を選択。中音域(1kHz〜4kHz)が前に出て、相手の発声や会話の滑舌が驚くほど明瞭になります。
  • 長時間のテレワーク・読書用BGM:
    プリセット「クラシック」またはフラット設定。高域の刺激を抑えた自然で疲れないBGM環境を作れます。

総評・どんな人におすすめか

SOUNDPEATS CCは、「耳を塞がない快適なリスニング環境を手頃な価格で手に入れたい」という方に最適な、高い完成度を誇るイヤーカフ型イヤホンです。

実売6,000円前後の価格帯でありながら、左右自動判別、マルチポイント接続、LDAC対応、そして耳を塞がないとは思えない厚みのあるサウンドを実現しています。私自身は移動中のながら聴きに使っており、歩きながら周囲の音を聞ける点は気に入っています。一方で、バスのような静かな車内では音漏れが気になるため、音量を控えめにする前提で使うのがおすすめです。最初のイヤーカフ型として、ながら聴きを試してみたい方に向いている製品です。

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